株式会社 向井建築事務所

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学園町のリノベーション

個室

by 小川 賢二

住宅を新築するタイミングは色々あると思いますが、
経験上、ご夫婦でこれから子育てを始めるタイミング、
というパターンが多い様に感じます。
ローンの返済期間等を考えても、その世代が多いのかもしれません。

そんな時に設計を始めますから、その年齢に合わせた使い方、
現在の趣味趣向を詰め込み、デザインもわりと若々しいものを好み、
そして、将来の子供の数を想定して、個室を計画します。

40数年前の学園町の家も、そうして設計が進んだはずです。
ですが、長い時間を掛けて徐々に、家族構成は変わりました。
当初、個室として、いくつかの部屋に仕切られた2階は、
お子さん達が巣立つにつれ、使いづらさが現れてきました。

そこで、いくつも必要のない個室は、間仕切りを無くして大きな部屋へと改修しました。
簡単な防音工事も施して、これからは音楽鑑賞をご趣味とされるクライアントの
趣味の部屋として使われます。

子育てを始めて、その子達が自分の個室を使うのは10年も無いかもしれません。
かと言って、それはそれで必要な時期があるわけで、計画しないわけにはいきませんが、
将来、いつか使い方を変えたい時が来るはずです。

リノベーションで、それを解決する事ができます。
そして、使い道のない余った部屋を、物置部屋にするのではなく、
新たな役割を与える事で、建物への愛着もまた改めて
湧いてくるのかな、と感じました。

家事動線

by 小川 賢二

内部での変化をもう1つ。

リノベーション前は、1階で洗った洗濯物を
急な階段を上って2階に上がり、個室の窓からベランダに干す、
というなかなかシビアなミッションがありました。

そこで今回のリノベーションでは、水廻りの位置をガラッと変えて、
家事動線がスムーズになる様、工夫しました。

この写真のさらに手前には洗面脱衣があり
そこで洗った物を、写真の一番奥のサンルームで
干す事ができます。一直線。

洗濯物だけではなく、その他の家事も、
単純な横移動の繰り返しで完結する様にしました。

家事って、洗濯だけ、夕飯の準備だけ、を行うわけではなく、
ほとんどその全部が、同時進行的かと思います。

アチコチと移動する手間、そのストレスは、
随分と解消できたんじゃないでしょうか。

外観2

by 小川 賢二

外観の変化について、言及すべき内容がもう1つありました。
これが、以前の玄関です。

道路に面しての玄関扉。
住宅密集地ですので、道路と建物の距離感が近いのは
どうする事もできませんが、できれば玄関扉を道路から見せない様な
平面計画にしたいと考えました。
これは、今回の計画に限らず、新築の場合でも常に意識してる事です。

学園町の家では、濃い色の壁の裏に扉があり、
道路から、少し回り込んでアプローチします。

多くの建売住宅や、ハウスメーカーさんのプランでは、
扉が前面に主張している物が多い様に思います。
けど、ちょっとの工夫で扉を隠してあげると、
建物の落ち着きや、「品」みたいな物が演出できると思っています。

外観

by 小川 賢二

外観も大きく変わりました。

クライアントがリノベーションを決意された理由の1つが、
家の前に家族の車を駐車できる様にしたい、というものでした。
まあ、従来も駐車できてはいましたが、シビアなスペースに縦列駐車。
かなりの難易度です。

それを、建物を減築する事で、ゆったりとしたスペースに改善しました。

ま、車の事もそうですが、外観が全く変わりましたね(笑)
落着いた、大人の雰囲気になったと思います。

木造の構造体は、既設の物をほぼ利用しながらも、
窓や屋根の形状なんかを工夫したり、もちろん間取りも変えながら、
こんなにも印象を変える事ができます。

階段

by 小川 賢二

初めて現地調査にお邪魔した時に、
とても気になったのが階段。
各部屋に囲まれる形で、建物の中心に位置する階段は
随分と薄暗い雰囲気でした。
これは何とかしたいな、というのが第一印象。

構造上、位置やサイズを変える事はできなかったのですが、
建物の一部を減築したので、窓を設置する事ができました。

そしたら、こんなに明るくなりました!
仕上材料が明るい色合いになったのもあり、
以前とは広さまで変わった様に感じます。

出勤前、顔を洗いに1階に下りる足取りも、
前より少し軽くなるんじゃないでしょうか。

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